ダンス練習の靴選びはとても重要です。
シューズはパフォーマンスを大きく左右するアイテムなので、動きやすく機能的なものが1番です。
ダンスを始める人は知識がなく、どんなシューズを選べばいいか悩むと思います。
ダンスインストラクターをやっていて、新規の方からよく質問される「ダンス用の運動靴ってどこで買えますか?」に回答します。
シューズ選びのポイントや、注意点をお伝えしますので、買い損にならないよう基礎知識を身に付けていってください。
記事の最後には16年踊ってきている僕が、今まで履いてきたシューズの中で1番良かったやつを紹介します。
メーカー・ブランドごとの特徴を知っておこう
ダンスシューズのおすすめをお伝えする上で、1つ聞いておきたいことがあります。それは野外練習で使用するのか、ダンススタジオなど室内での使用を目的としているかです。
野外で踊る場合は靴の劣化が早いので耐久性、室内シューズの場合はヒールマークの残らないものが良いです。(ヒールマークって何?という方には、後ほど詳しく解説します。)
ダンスで使用することが同じであっても、練習環境によっておすすめのシューズも変わってきます。コンクリートなのか、クッション材が埋め込まれているフラットな床なのかによってもシューズを選ぶポイントに違いがあります。
まずはメーカー・ブランドごとの特徴を説明しましょう。
コンバースはタウンシューズとして若者層から人気のあるメーカーですが、ダンス用にはおすすめしません。
運動靴と履き比べれば分かりますが、足と靴との一体感で劣ります。激しいステップを踏んだりしたときのカポカポ感と、ソール(靴底)部分の素材がちょっと重たいですね。
かっこいいデザインですが、ダンス練習には向きません。
それでは次。
アディダスは型番によってダンス向き・不向きが分かれてきます。画像のようにタウンシューズとして販売されているモデルの場合、個人的にはあまりおすすめしません。×ではないですが運動に使う場合は△です。
スポーツショップで各競技ごとの用途で売られているアディダスシューズはもちろんその役目を担うだけの機能性はあります。スポーツ向け、タウン(街歩き)用、どちらの用途で製造されているか商品説明にも目を通すようにしてください。
アディダスは運動靴モデルでも履き心地はタイトです。横幅が狭く、指先もほかのメーカーと比べ細いです。そのため足が横に大きい人はアディダスを履いたときにサイドからの締め付けがきつく感じることがあります。
ダンス練習時に足の疲れを感じやすくなりますので、アディダスのシューズは細長い足をした方におすすめします。女性は普段から先の尖った靴を履いているでしょうし、少しタイトでもあまり気にならないと思います。
ストリートダンサーの中でもファンが多いブランドに対し、すっぱい評価を出すことに申し訳ない思いはあります。数あるスポーツメーカーの中でも履き心地には個人差が出やすいため、初めてアディダスを履くときは店頭で1度試し履きをおすすめします。
次いきます。
ナイキのエアフォースワンです。野外練習用として定番となっていますが、その理由はソール部分の強度が高いからです。よって路上でのダンス練習ならナイキが◎ だけど室内シューズとしての活用は△です。
ソール部分がしっかりしている靴は重たいので、スタジオのように劣化の少ない環境だと必要のない頑丈性がデメリットになってくると思います。
ストリートでブレイクダンスを練習するようなシチュエーションならエアフォースワンが良いです。靴底も発砲度の高い素材だとすり減るのが早いので、丈夫で長持ちな観点からもハードに使い倒すならナイキをダンスシューズにすることをおすすめします。
但し、ナイキといっても色々な種類があります。サンプル画像のようなタイプのシューズに対するコメントだと思ってください。
次です。
NB(ニューバランス)は、デザインがダンスっぽくないですが、履きやすいので運動靴としても機能します。
コンバース・アディダス・ナイキの特徴を遠慮なく書いてきましたが、履きやすさで勝負すればNBが1歩リードします。
デザインの好みは人それぞれということを前提にしてお話ししますが、僕はNBをダサいと思っていました。こんなの、おじさんが休日に履いてそうな靴じゃん。と思っていました。
だけど一応履いてみるかと思いラインナップの中でも1番マシなのを選んで履いてみたら……
買ってしまいました。。。
それだけ履きやすかったということですね。はい。
ダンス練習に履き倒しました。だけどブレイクダンスのフットワークでつま先付近からソール部分が分離し始めて、結局長持ちしませんでした。NBをダンスシューズとして使う場合は室内用にすることをオススメします。
履きやすさの理由は軽さとゆったりした履き心地です。買ったばかりだと運動靴でも素材が硬く感じるものですが、NBは横にワイドで素材も柔らかめ。足へのフィット感は良好です。デザインが好みだったら迷わずニューバランスでOKだと思います。
そして最後に。
僕が愛用しているダンスシューズ。ケースイスのコルジグです。
先に注意点を1つ。
ケースイスがおすすめなのではなく、その中のコルジグ、さらに上記モデルが履きやすい。
ヒップホップファッションとしても人気のある靴メーカーですが、スニーカータイプのものでも履きやすさはマチマチ…。
だからあくまで上記画像のモデルがダンス練習におすすめです。
ダンスシューズを選ぶポイントをまとめます
定番の靴ブランドを例にしてきましたが、メーカーが同じでも靴の形状や用途は商品ごとに違います。そのため先ほどのようにケースイスの中でもコルジグという品番ですみたいな説明になりがちで、しかも誰の足でもそのような評価になるとは限りません。
足の形に個人差がある以上、マイベストなメーカーと型番は自分で履き比べしながら選ぶしかありません。
シューズ選びのポイント5項目
1.軽い
2・余計な装着品がない
3・信頼のメーカー
4・ローカット
5・靴底が白系(室内履きの場合)
この5つを満たす靴をおすすめします。
靴底に関しては室内履きとして用意するときに重要な項目となります。
ダンススクールではスタジオの床にヒールマークが付着することを嫌がります。僕も生徒の利用状態をチェックする立場なので、何度かヒールマークが付く理由でそのシューズの使用を禁止したことがあります。
ヒールマークとは、靴底の素材が摩擦熱で床に付着することを言います。信頼のメーカーならそういうことは起こらないのですが、無メーカーや3流メーカーならよくあることです。
ダンス練習におすすめの運動靴はメーカーにこだわらず、シューズ選び5項目を満たしている中で自分の足に合うものを店頭でチェックして決めることをおすすめします。
あとストリート系ファッションを好む人はハイカットスニーカーの方がかっこいいと感じるでしょうが、動きやすさでいえば足首フリーで素材が少ない分軽量のローカットが練習には適しています。
でもダンスは自分の姿を鏡に映して練習するため、かっこいいファッションで踊ることもモチベーションに繋がります。そのためハイカットかローカットかはその人が機能性とファッション性のどちらを重視するかによります。インストラクターの立場からはローカットをおすすめします。
ダンスシューズという名目で売られている無メーカーのアイテムもありますが、その多くは外履きを想定して製造されています。ヒールマークが付く可能性が高いので、そのときは外履きとして使うくらいの気持ちで入手すると良いですね。