ダンスを踊るときの格好は?
踊る時の格好・服装って何を着ても大丈夫?何か決まり事とかあるの?
そんな疑問にダンス歴15年のインストラクターがお答えします。
おすすめや定番が知りたい!など、基礎知識も充実です。
着たい服を着れば良し、と思いきや
初心者が「ダンスの服装が分からず困っています」と質問すれば、
経験者は「着たい服を着れば良いんだよ」と口を揃えます。
ダンスあるある話ですので、始めたばかりの入門者がどんな格好をして踊れば良いのか気になってしまう気持ちもよく分かります。
初心者の場合は基礎知識も備わってない状態なため、
そもそも「着たい服」自体が明確でなく思い浮かばない人の方が多いのではないでしょうか。
習い始めで上手くない内は「無難な格好」が良いと思ったり、あまり目立ちたくないと思う方もいます。
このページではダンスの中でも最も定番であるヒップホップをメインに、ダンスを踊るときの格好について詳しくお伝えします。
着たい服を着れば良い。
これが手短な結論ではあります。
しかしそれでは知識が身に付きませんね。
長く踊ってきていてダンスファッションのこと色々知っていますので、広くご紹介します。
ダンスファッション基礎知識
筆者はダンス歴20年です。
入り口はヒップホップダンスでした。
ジャンルはヒップホップを主軸としながら、
ポップダンス(ポッピング)
シャッフルダンス と、
ストリートダンスに含まれる踊りは全般的にやってきています。
現在はカバーダンスもアーティストの振り付けを参考にしていたり、
視野を広く持ちながら長く踊ってきていますので昔のダンスファッションから現在まで移り変わりまでを見てきました。
まずダンサーファッションの歴史として、
以前はオーバーなサイジング
現代はタイトめな着こなし
に変化していることを認識しておきましょう。
そしてもう1つ、
ジャンルによって踊るときの格好に違いや特徴があることも知っておいてください。
ロックダンス衣装でよく見るしま模様のズボン。
ヒップホップだと極太のダボパンとか、
シャッフルダンスではファットパンツという反射素材を装着した独特なファッションアイテムもあります。
これらはジャンルごとのダンススタイルをより良く魅せるため、特徴を活かすために定着したファッションです。
最もニーズのあるヒップホップダンス分野だとニュージャックスイングとかミドルスクールと呼ばれる90年代の踊り方は、ダボダボしたオーバーサイズの服装でパフォーマンスするのが主流ですが、
現在の服装はというと、ストレッチの効いたタイトなぱっつんデニムでも普通に踊っていますので、ヒップホップの格好はルーズ・タイトで二分化しています。
ヒップホップファッション・ストリートファッションにこれといった定義がないことからも、
多様化され自由度が増し、時代と共に変化を楽しむものでもありますよね。
なので、どんな格好でもそれが「かっこいい」か「ダサい」かは個人の判断によります。
その判断要素に顔の特徴や体型もありますので、自分を客観的に見て、どんな服装が合いそうか分析することをおすすめします。
ダンサーが教える ファッション選びのコツ
その人の個性をうまく引き立たせることがファッション選びのコツです。
今回はダンスのときの服装がテーマなため、
あなたが練習しているダンススタイルをより良く演出できそうなアイテムを想像してみましょう。
体にフィットした服装だとシルエットが鮮明になります。
カチカチっとしたダンス、ピッピッと俊敏な動きがよく合います。
逆にルーズな服装だと体のノリなど全体像が強調されます。
リズム感を重視したり存在感を出したいときに向いています。
ここにダンスウェアを身にまとったダンサーの画像を貼ったとして、その着こなしをカッコイイと思うかかっこ悪いと思うかは意見が分かれるはずです。
もし5人のダンサーの映った集合写真を貼ってこの中の誰がかっこいい?と質問すれば、やはり好き嫌いは分かれるでしょう。
踊り慣れているダンサーが「悩む事じゃない。好きな服を着て踊れば良いんだよ」とアドバイスするのも、自分らしさを大事にしようぜ!というエールであって、あなたが決めたファッションを後押しするよってことです。
ヒップホップダンスは特にルーズ派とタイト派でファッションがガラリと変わります。
ダンススタイルに合うファッションの見極めがとても重要なジャンルともいえますね。
基礎知識をお伝えした上で、自分がどんな格好でダンス練習しようか方向性が定まらない初心者に向けて具体案を述べていきます。
踊り方でダンスファッションは決まる
ダンサーにとって服装やヘアスタイル・メイク等、自分の魅せ方は大事だと思います。
ダンス練習時のモチベーションも決まってきますし、人前で演技するときも自分のことをかっこいいと思える格好の方が自信を持って前に立てます。
方向性が定まらないビギナーさんにおすすめなのが「踊り方」にマッチしたファッションを選ぶという判断方法です。
ダンスはジャンル毎に特徴があります。かっこいい服装もどんなパフォーマンスをするかによって変わってくるため、踊り方に対する知識を高めてください。
例えば昔ながらのヒップホップダンスなら少しダボっとさせた服装の方がステップが大きく見えたり動きに躍動感が出たりしますのでかっこいいと思いますし、
シカゴフットワークのような踊り方ならタイトめのデニムパンツで脚の動きを見やすくした方が人の目を釘付けにするパフォーマンスになると思います。
ロックダンスは普段の練習にワークパンツを履いてもかっこいいです。ベージュパンツに黒ベルトとか無難です。
ブレイクダンスはラフにジャージやスウェットのハーフパンツだったり、タイトなデニムパンツだったり。
ストリートダンスの練習は私服の中で動きやすいアイテムを選ぶというのが基本かも知れません。
ダンス服と私服で分けているのは踊るときだけルーズな服装を着用する人や、私服が汚れるのは嫌だから着古したいらない服を着て練習している人です。
社会人なら仕事帰りにそのままダンス教室に立ち寄ることもありますよね。仕事用のスーツじゃ踊れませんから、この場合もダンス用のウェアは必要です。
僕なんかは私服そのものが高い洋服ではないので、私服のままダンス練習もしていますが、ストリートで練習する場合は、膝を付く部分は汚れやすく、シューズも長持ちしません。
普段着で良い服を着ている人は、ダンス用として一式揃えた方が良いです。Tシャツも汚れなくとも脇の下は汗で黄ばみますし、擦れる部分は毛羽立ってきます。
黒Tシャツも白っぽく色落ちしたような劣化が進みやすいため、私服でダンスもやってしまうか分けるかはみなさんの状況によって判断してください。
服装よりも重要 ダンスシューズの選び方
パフォーマンスに影響するのが靴です。
かっこよさだけでなく、動きやすさも無視できません。
格好は見た目の問題ですが、パフォーマンスを大きく左右するのがダンスを踊るときの靴選びです。
靴に関しては自分もすっごいこだわっていまして、かっこいい or ダサい、という視点では判断していません。
あと参考になるか分かりませんが、上履き(ダンススタジオで使用するシューズ)、下履き(普段用、またストリートでの練習用)で同じシューズを履いています。
ダンスファッションを気にする余裕があるなら、ぜひ練習シューズに意識を向けてください。
ずばり、踊りやすい靴ってどんなものでしょうか?
これに関しては、ヒップホップやその他ストリートダンスのジャンルすべてに言える「共通点」があります。
ダンスシューズの選び方は、
1.ローカット
2.軽量
3.ソールの素材
この3つのポイントを押さえていれば、機能性は高いです。
1はファッション性を考慮するとミッドカットやハイカットの方がかっこいいと感じることもあります。
しかし、足首を覆えば覆うほど動きやすさを失い、2に繋がってくることですが靴が重くなります。
ダンス衣装で多くの観客の前で演技する場合は動きづらいコスチュームで踊ることもあると思いますが、
普段の練習は足への負担を考え、ローカットで軽量モデルが無難といえます。
どうしてもローではなくミッドカットくらいが良いという場合、アキレス腱の部分がえぐれていて実質的ローカットと同じ機能性を出しているデザインを探しましょう。
そういうスポーツ性を出してくれているシューズもたまにあります。
靴探しも楽しいですからね。
ネットと販売店、色々チェックしてみましょう。
ダンススタジオで履くシューズの注意点
室内練習で上履きとして履くシューズに関しては1つ注意点があります。
僕はダンススクールでレッスンもしている現役のインストラクターなので、
よく新規生徒がダンスに向かないシューズを購入してしまって(ノ∀`)アチャー ってなるんです。
それが「ヒールマーク」の付くシューズです。
ダンスに限らず、すべての室内スポーツで嫌われています。
使用禁止になるケースもあり、これでは買い損です。
名の知れたスポーツメーカーのシューズなら問題ありません。
ナイキ、アディダス、ニューバランス、プーマあたりが無難。
よう分からん安価なメーカーは靴底の素材もそれなりでしょうからヒールマークを覚悟してください。
ダンススクールによっては、ソール(靴底)の素材が良くないシューズは使用できません。
理由がこのヒールマークが床に付着するためです。
僕の場合、自分で掃除して帰ってくれるならOKにしています。が!
ヒールマークは掃除がとにかく大変で、雑巾では落ちない場合も多く、
自分で掃除といわれた生徒は素直に諦めて新しいダンス用のシューズを買ってきます。
運動用の室内シューズは信頼のスポーツメーカーを選ぶこと!
ダンスの際の格好よりも、何気に重要な足回り。
人間のとっての足は、車でいうところのタイヤであり、
やはり地面と触れ合う部分はパフォーマンスを左右する重要パーツと受け止めましょう。
使用禁止の運動靴「ヒールマーク」とは?
ヒールマークは近年ダンススタジオ経営者を困らせる一要因になっています。
ダンスを始めることになり、スタジオで履く運動靴を1つ買ったとしましょう。
もしそのシューズが、使用禁止といわれたら・・・・・
せっかく買ったのにお金の無駄じゃんかーーー!(´;ω;`)ウゥゥ ってなりますよね。
ヒールマークとは運動時に生じる靴裏と地面との摩擦熱で素材が床に付着してしまう痕跡のことを言います。
ダンスやバスケットボール等、室内スポーツにおいては安価な素材が使用されているシューズではなく、信頼のメーカーを選ぶことが推奨されます。
身近に手に入るメーカーとして、ナイキやアディダス等が一例です。
ヒールマークも消しゴムのカスのように手でこすって消せるタイプと、そう簡単には落とせないタイプがあります。
雑巾等で強くこすって落とせるならまだセーフ。中にはべったりこびり付いて落とせないものがあります。
どちらにせよ発覚次第、使用禁止が命じられると思います。
ダンススクールの利用規約で、床にヒールマークが付いた場合は清掃費用を全額負担していただきますと明記している教室もあるくらいです。
話が脱線しましたが、ダンスの服装を語る上でシューズはやはり重要ですし、格好を気にされるのは踊り始めの初心者に多い傾向があります。
だけどそもそも装着不可となってしまうファッションアイテムであれば話になりません。
野外ならともかく、ダンススクールなど室内で踊る場合にはヒールマークの付かないメーカーを選ぶようにしましょう。
ダンス入門者におすすめ 無難な服装ベスト3
ダンスを始めたばかりで、個性をむしろ出さず、卒ない格好が良いという入門者向けに、
無難な服装の組み合わせ例を3つご紹介します。
おすすめ1位
スウェットパンツ+汗じみが目立たないトップス
わきの下とか、汗をかくと色が変わってしまうトップスはちょっと恥ずかしいですよね。
汗をかく場面だからこそ、汗じみが目立たないカラーチョイスが良いです。
おすすめ2位
ストレッチデニム+白か黒のトップス
カジュアルにキメたいならポリウレタンという伸縮性のある素材が数%程度使われているデニムが動きやすいです。
あとは先ほどの汗を気にしなくていい白か黒のカラーコーディネートをすれば無難かつスタイリッシュな格好になります。
おすすめ3位
ジャージのセットアップ(インナーにはシンプルなTシャツ)
ダンスっぽさには欠けますが世代問わず、色々なスポーツに着回せる利点があります。
さまざまな場面で使えるので経済的。ジャージもデザインが選べるため中にはかっこいいアイテムもあります。
最後に 懐かしのダンスブランド一覧
ダンスファッションについて、基礎知識を織り交ぜながら解説させていただきました。
最後の〆に、ダンサーが愛した懐かしのインポートブランドを載せておきます。
ショーンジョン
ペレペレ
ロカウェア
IBブラックマン
FUBU
ファットファーム
トリプルファイブソウル
スクールオブハードノックス
エニーチェ
今も元気なブランドだと
カンゴール
LA GATE
グラミチ
サウスポール 等々。
いやー、アンダーな世界観があった当時のダンスカルチャーも大好きです。
ショーンジョンとか、パチモンだらけで本物を国内で入手するのが一苦労でした。
昔は海外のインポートブランドが主流でした。
デニム系で極太だと、まだ海外ブランドが強いかなぁ。
トップスは少しオーバーで足元はシュッ、みたいな、現在は細いストレッチパンツがダンサーの中でも主流になっています。
動きやすさの観点では従来のスウェットパンツ的な素材やジャージが1番だったりしますので、
日々の練習には動きやすさ、人前に出ていく際はかっこよさ重視のファッションが良いかもしれませんね。
ダンサーは見た目の格好良さも大事です。そこを見られる存在でもありますから。
いろいろダンスファッションに関する知識を書きましたが、みなさんがリスペクトしているダンサーさんを見本にするのも良いと思います。
そういう存在をまだ見つけられていないという方もユーチューブでたくさん動画も観れますし、
パフォーマンスを観ながらもどんなダンスをどんな格好で演じているかをチェックすると目星が見つかりやすくなりますよ。
ダンスが上達してくるにつれ、自分はどんな踊り方が好きなのか、どんな曲だとハイになれるかなどの特性が分かってくるものです。
自然にダンスファッションにも自分らしさが出てきます。
踊るときの格好が気になって周囲をキョロキョロ見てしまうのも、そういうのは最初の内です。
あなたに少しずつ「らしさ」が出てきますように応援しています。
このブログ内でもダンスレクチャーなど、ダンス上達のための素材を公開していますのでぜひご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
ダンサーゆーすけ